凛と輝く。
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監督の言葉

写真ジョン・ウィリアムズ PROFILE

 私が日本に来て数年たった頃、反抗的だがとても美しい高校生の少女と知り合いました。彼女の両親に、彼女を何とかして欲しいと頼まれたのです。両親は彼女のせいで地獄のような苦しみを味わっていました。私はその少女に共感を覚えました。なぜなら彼女は私自身が10代の頃に抱えていた問題を色々な意味で思い起こさせたからです。私たちが自分自身について理解できるようになるには、他人の人生の中に想像を通して入っていくこと、そうしようと試みることだと私は考えています。
 私たちは、他人という鏡に反映された自分自身を見ます。 そして、私たちが苦しみを共有しているということを理解してはじめて、自分自身をも理解できるようになります。
 映画では、直美は次第に、小出さんと彼女の過去に好奇心を持つようになります。私はこの好奇心の芽生え、すなわち直美の共感する能力が目覚めていく過程をとらえたいと思いました。
 小出さんと直美は、それぞれお互いにとっての鏡となっています。このようなシナリオは、私が自分自身の鏡を反抗的な日本の女子高生の中に見つけることによって描かれました。
 小出さんの家の屋根裏にある古い地球儀と埃まみれの鏡は、ロケハン中に農家の廃屋の奥で見つけたものです。地球儀はより大きな世界を、そしてよりエキサイティングな生活への逃避願望を、鏡は自分自身の知覚を象徴しているのです。直美と小出さんは、自らのうちにある逃避願望を映し出しあっているのです。
 本作のもう一つの重要な要素は、日本の田舎です。名古屋から鳳来町までの道のりは、まるでタイムマシンに乗っているかのよう。近代的な都会から2時間ドライブするだけで、300年も400年も時間を溯ることが可能なのです。私は都会と田舎のコントラストを描きこみ、そして直美の世代の経験と小出さんたち戦前世代の経験との間に横たわる溝をそこに反映させたつもりです。
 より大きな世界とよりエキサイティングな生活を求めて日本にやってきた私は、本作を通して、自分自身の鏡を発見しました。
 たとえ私が故郷のウェールズの反対側に位置する日本に住んでいるとしても、日本の田舎にはウェールズに似ているところをたくさん見つけることが出来ます。音・景色・においさまざまなものが私を少年時代へと連れ戻します。私は自分が遠くまできたことを思っていながらも、自分の原点に戻ってもいる、そんな風に感じたのです。
 原題の「FIREFLY DREAMS」は日本語では蛍の夢。蛍は、夏のほんの短い間だけ生きて輝き、自分自身を照らしだします。そのとき蛍は、自分の見る夢を輝かせているのです。きっと人間だって同じことでしょう。人生は長いけれど長くない。さまざまな季節を過ごす一生で、人はだれも、美しい夢を輝かせる一瞬を持っている、と信じています。
 


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